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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻13号

2000年12月発行

文献概要

症例報告

Id reactionを伴った痂皮性膿痂疹の1例

著者: 石田雅美1 水嶋淳一1 檜垣祐子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1083 - P.1085

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 症例は36歳,男性.アトピー性皮膚炎の既往なし.顔面に生じた痂皮性膿痂疹に続発し,体幹,上肢に紅色丘疹が多発した.顔面の膿痂疹は特徴的な厚い痂皮を形成していたが,膿汁はなく,発熱やリンパ節腫脹も認めなかった.顔面の皮疹よりC群β溶連菌を分離した.体幹の丘疹の病理組織像は,表皮の海綿状態,真皮上層の強い浮腫と血管周囲性リンパ球浸潤からなり,痂皮性膿痂疹に伴ったid reactionと診断した.レボフロキサシンの内服と,体幹,上肢にステロイド外用薬を用いたところ6日で略治した.顔面の痂皮性膿痂疹でアトピー性皮膚炎の既往のないこと,比較的軽症で起炎菌がC群β溶連菌であること,id reactionを伴ったことが特異であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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