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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻13号

2000年12月発行

文献概要

症例報告

尋常性狼瘡の瘢痕上に生じた有棘細胞癌の1例

著者: 関姿恵1 田村敦志1 高橋亜由美1 鈴木裕美子1 石川治1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1108 - P.1110

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 症例は67歳,男性,左肘頭の尋常性狼瘡の瘢痕上に生じた有棘細胞癌を報告した.過去において尋常性狼瘡に対して放射線治療を行われた時期があり,それが発癌の一因と考えられていた.放射線治療歴の有無および尋常性狼瘡発症から皮膚腫瘍発生までの期間が明らかな32例につき文献的に検討した.放射線治療未実施例12例では5〜71年(平均29年),実施例20例では6〜62年(平均30年)で皮膚悪性腫瘍が発生しており,発症までの期間に関して両者に有意差はなかった.自験例は放射線治療を行っていないが,瘢痕形成の高度な部分に発癌しており,本症における発症機構を考えた場合,瘢痕癌としての性格がより重要ではないかと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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