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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻2号

2000年02月発行

文献概要

今月の症例

腫瘤を形成したangiotropic lymphoma—放射線療法が奏効した1例

著者: 榊原章浩1 藤山忠昭1 小川達次2

所属機関: 1仙台市立病院皮膚科 2仙台市立病院神経内科

ページ範囲:P.114 - P.116

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 88歳,男性.約2年前より両側大腿部に暗赤紫色の扁平隆起性の皮疹があり初診した.その10か月後に脳梗塞を発症し神経内科に入院した時には,右大腿部の紅斑性病変からは腫瘤が生じていた.紅斑部の病理組織像は真皮の血管内腔に核小体の明瞭な大型の核をもつ異型単核細胞が充満し,一部では血栓を形成していた.腫瘍細胞は免疫染色でL26陽性,CD 34陰性を示しB細胞性のangiotropic lymphomaと診断した.腫瘤部では同様の免疫染色を示す腫瘍細胞が真皮全層にわたって血管外にも密に浸潤していた.化学療法は行わず局所にX線と電子線を照射したところ,腫瘤と紅斑はともに消失した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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