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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻2号

2000年02月発行

文献概要

症例報告

伝染性単核球症様症状を呈したサラゾスルファピリジンによる薬疹の2例

著者: 布袋祐子1 田口英樹1 木花いづみ1

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科

ページ範囲:P.147 - P.149

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 サラゾスルファピリジン(SSP)内服中の潰瘍性大腸炎患者に認めた伝染性単核球症様薬疹2例を報告した.両者はいずれも伝染性単核球症を思わせる臨床像を呈し,血中異型リンパ球の増加および肝機能障害を認めた.パッチテストにて症例1,2共エタノール基剤SSP陽性,ワセリン基剤陰性,本剤の代謝産物と思われるparaphenyl—enediamineは陽性であった.内服テストは症例1にてSSP 30 mg(常用量の1/300)内服24時間後陽性であった.また症例2では本剤の代謝産物である5-aminosalicylic acid(5-ASA)も用いてパッチテストを施行した.最近潰瘍性大腸炎の治療に5-ASA単独製剤が用いられており,本剤による薬疹を疑った際5-ASAのパッチテストも一般化することで原因成分をより明確にし,潰瘍性大腸炎の治療に役立てるべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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