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症例報告
注射が原因と思われる皮下石灰沈着症の1例
著者: 寺内雅美1 三澤淳子1
所属機関: 1沼津市立病院形成外科
ページ範囲:P.156 - P.158
文献購入ページに移動 64歳,男性.約27年前に他院で頻回かつ多量の皮下注射を両上腕に受けた.以後同部に腫瘤を形成し疼痛が出現してきたため,他医および当科で摘出術を施行した.腫瘤は皮下から筋膜に存在し,一部筋肉に浸潤していた.検査所見や組織所見より栄養障害性(代謝性)石灰沈着症の限局型の石灰沈着症と診断した.皮下石灰沈着症には局所pH,Ca,P,クエン酸イオン,ビタミンD濃度,酸素分圧,アルカリフォスファターゼ活性などが関与する.注射が原因の場合は薬液の浸透圧やpHも影響すると本例ではさらに頻回かつ多量の皮下注射という一種の外傷も要因として重要である.頻回かつ多量の皮下・筋肉注射は石灰沈着症のみならず筋短縮症の可能性もあるため避けるべきである.
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