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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻2号

2000年02月発行

文献概要

症例報告

脛骨前粘液水腫の1例

著者: 瀧澤一1 鈴木拓1 大西誉光1 渡辺晋一1 高橋久1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.162 - P.165

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 57歳,女性のバセドウ病患者にみられた脛骨前粘液水腫の1例を報告した.現病歴は,バセドウ病にてメルカゾール®を6か月内服していたが,自己判断で中断した.その6か月後に体重減少と右下腿脛骨前面の皮疹に気づき,4か月間で徐々に拡大した.初診時,TSHの高値,free T3,free T4の低値と,甲状腺機能は充進していた.現症は,右下腿前面の比較的境界明瞭な弾性硬の浮腫性局面で,組織学的に真皮全層の浮腫と膠原線維の離開を認めた.膠原線維間はコロイド鉄およびアルシアンブルー染色陽性で,ピアルロニダーゼで消化されたことよりヒアルロン酸の沈着と考えられた.甲状腺機能の改善はないにもかかわらず,ステロイドの外用により皮疹は改善した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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