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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻2号

2000年02月発行

文献概要

症例報告

乳児線維性過誤腫の1例

著者: 野田英貴1 能宗紀雄1 米原修治2

所属機関: 1尾道総合病院皮膚科 2尾道総合病院病理研究検査科

ページ範囲:P.166 - P.168

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 8か月男児の上背部に生じ乳児線維性過誤腫の1例を報告した.腫瘤は生後1か月で生じ,7か月後の手術時には3.2×2.0 cm大の板状の硬結として触れた.病理組織学的に腫瘤は成熟脂肪組織,交錯する索状の線維性組織,未分化間葉系細胞巣の3成分で構成され類臓器構造を呈した.線維性組織は膠原線維と線維芽細胞に類似した紡錘形細胞からなり,この細胞は免疫組織化学的染色により抗vimentin抗体および抗α-smooth muscle actin抗体に対する免疫活性所見を呈し,myofibroblastの形質を発現していると考えた.また自験例は全摘術施行後約1か月で再発を認めたが,その後は縮小傾向にある.自然消退を期待して注意深く観察する方針である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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