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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻2号

2000年02月発行

文献概要

症例報告

自然消退を確認した血管芽細胞腫(中川)の1例

著者: 加藤文博1 岸浩之1 高橋博之2 堀越貴志3

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科学教室 2札幌厚生病院皮膚科 3表参道皮膚科

ページ範囲:P.173 - P.175

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 6か月,男児.生下時より左膝蓋部に暗褐色の浸潤局面が存在し徐々に腫大,皮内硬結を認めるようになった.多毛,多汗および軽度の圧痛を認めた.組織学的には,真皮中層にエクリン腺の軽度の増加と被膜を有さない腫瘍細胞巣を認めた.腫瘍細胞の主体は類円形をしたやや大型の淡染性の核を有する細胞で不完全な血管腔を形成していた.核の異型性,核分裂像は認めなかった.以上より血管芽細胞腫と診断した.初診時に比べ硬結は消退傾向を示したため,経過観察していたところ硬結は退縮し,6か月後には色素沈着を残すのみとなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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