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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻2号

2000年02月発行

文献概要

症例報告

Mucinous carcinoma of the skinの1例

著者: 椙山秀昭1 曺慶珠1 八坂なみ1 佐藤裕子1 北村玲子1 大竹直人1 古江増隆1 玉置邦彦1 島田眞路1

所属機関: 1山梨医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.183 - P.186

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 61歳,女性.1990年9月頃,左側頭部の皮下腫瘤に気づいたが自覚症状に乏しかったため放置していた.次第に増大したため近医を受診し全切除術を施行されたが,同年10月局所再発を認め再び増大した.病理組織学的に真皮上層より皮下組織にかけて線維性隔壁により比較的明瞭に区画された多数の腫瘍塊を認め,個々の隔壁内はPASおよびアルシアンブルー陽性の粘液様物質が充満し,中心部の腫瘍細胞塊はその粘液中に浮かぶがごとく認められた.ほとんどすべての腫瘍細胞がCEA陽性であった.転移性皮膚腫瘍の鑑別のため全身検索を施行したが,他臓器に腫瘍性病変はみられず,以上より左側頭部皮膚原発のmucinous carcinoma of the skinと診断した.治療として腫瘍より約4cm離し腫瘍全切除を行い,皮弁ならびに分層植皮術を施行した.術後3年9か月の現在,再発,転移は認めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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