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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻3号

2000年03月発行

文献概要

今月の症例

抗ラミニン5型瘢痕性類天疱瘡の1例

著者: 大塚知子1 布袋祐子1 三浦龍司1 大畑恵之1 天谷雅行1 清水宏1 西川武二1 橋本明彦2 山本達雄2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2東京都老人医療センター皮膚科

ページ範囲:P.209 - P.212

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 75歳,女性.初診時,口腔内を含むほぼ全身に緊満性水疱と難治性のびらんを認めた.病理組織学的に表皮下水疱の形成を認め,さらに蛍光抗体直接法にて表皮基底膜部にIgG,C3の線状沈着を,1M食塩水剥離ヒト皮膚を基質とした間接法にて真皮側に陽性を認めた.これらの所見より当初後天性表皮水疱症が疑われた.さらに標的抗原の検討を加えたところ,免疫プロット法にて類天疱瘡抗原(BP230,BP180),VII型コラーゲンに反応せず,免疫沈降法にてラミニン5(エピリグリン)と反応した.これらの結果より本症例は抗ラミニン5型瘢痕性類天疱瘡と確定診断された.抗ラミニン5型瘢痕性類天疱瘡と後天性表皮水疱症の鑑別診断は蛍光抗体間接法のみでは困難であり,さらに標的抗原を免疫化学的方法により同定することが必要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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