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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻3号

2000年03月発行

文献概要

症例報告

水疱蓋の表皮内にcaterpillar bodyを認めた,HCV-RNA陽性の晩発性皮膚ポルフィリン症の1例

著者: 田村あゆみ1 奥芝幹代1 加藤直子1

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科

ページ範囲:P.227 - P.229

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 60歳,男性で,大量飲酒歴を有し,HCV-RNAが陽性であった晩発性皮膚ポルフィリン症(porphyria cutanea tarda)の1例を経験した.露光部に小水疱,びらんが認められ,尿・便中のポルフィリン体の増加がみられた.組織学的に表皮下水疱と,水疱蓋の表皮内にPAS染色が陽性で毛虫状の形態を有するcaterpillar bodyを認めた.C型肝炎に対しインターフェロンα(以下IFN-α)療法を行い,HCV-RNAは陰性化したが,肝機能障害および皮疹は改善しなかった.その後瀉血療法を行ったところ,肝機能が改善し皮疹もほぼ消失した.IFN-αによりHCVが排除され,肝障害が徐々に鎮静化し,同時に肝URO-D活性が正常化した可能性があり,さらに瀉血により鉄が除去されて皮疹の出現が抑制されたと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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