icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻3号

2000年03月発行

文献概要

症例報告

皮下および筋層に多発した結核性膿瘍の1例

著者: 加藤陽一1 羽渕知可子1 内田雅之1 矢崎進2 牧由美子3 安立あゆみ4

所属機関: 1愛知県厚生農業協同組合連合会更生病院皮膚科 2愛知県厚生農業協同組合連合会更生病院整形外科 3愛知県厚生農業協同組合連合会更生病院内科 4名古屋大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.235 - P.238

文献購入ページに移動
 42歳,女性.皮膚筋炎の診断で1995年8月よりステロイドの投与を開始した.その3か月後肺結核と間質性肺炎を併発し,抗結核剤投与とステロイドパルス療法を施行し症状は改善した.その後ステロイドを減量し抗結核剤を投与していたが,1996年2月に右腰背部に9×6cmの皮下腫瘤が出現した.結核性膿瘍を疑い,腫瘤を穿刺し淡黄色の液状物を吸引した.穿刺液は結核菌の塗抹,培養が陽性であった.抗結核剤を追加したが腫瘤は縮小せず,背部を中心とした躯幹と頸部,上肢に皮下腫瘤が多発したため,9月に腫瘤を摘出,掻爬した.手術後も腫瘤が新生したため掻爬術を2回追加した.1997年6月抗結核剤を中止したが,その後腫瘤の再発は認めない.皮下および筋層の結核性膿瘍,特に多発例について若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?