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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻3号

2000年03月発行

文献概要

症例報告

Tufted angiomaの1例—血管芽細胞腫(中川)との異同について

著者: 鈴木紀子1 三橋善比古1 青木武彦1 近藤慈夫1

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.270 - P.272

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 症例は54歳,女性.3年前より頸部から前胸部に赤色結節性皮疹が出現した.初診時,前頸部から前胸部にかけて,米粒大から小指頭大までの暗赤色の小結節が散在し,一部集簇していた.触診で柔らかく,圧痛,多汗はみられなかった.生検したところ,組織は真皮内に比較的境界明瞭な腫瘍細胞巣が散在し,腫瘍細胞は楕円形大型濃染核を有する内皮細胞で,tufted angiomaと診断した.Tufted angiomaは良性の血管内皮細胞性腫瘍であるが,鑑別疾患としてあげられる血管芽細胞腫(中川)は本症と類似した病理組織像をもち,両者は同一疾患であるとする考えもある.しかし,臨床像が異なることから同一とすることは妥当ではなく,血管芽細胞腫とtufted an—giomaは類縁疾患と位置付けておくべきと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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