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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻4号

2000年04月発行

今月の症例

有棘細胞癌を併発した外陰部萎縮性硬化性苔癬の1例

著者: 松本博子1 大島昭博1 杉浦丹1 福積聡2 中嶋英雄3

所属機関: 1清水市立病院皮膚科 2静岡赤十字病院形成外科 3慶應義塾大学医学部形成外科学教室

ページ範囲:P.302 - P.304

文献概要

 外陰部広範囲の萎縮性硬化性苔癬(lichen sclerosus et atrophicus,以下LSA)に有棘細胞癌を併発した57歳女性例を報告した.両側大陰唇外方から肛門近傍にかけてLSAに典型的な局面があり,局面内の陰核左方には拇指頭大のびらんを認めた.組織学的にも局面はLSA,びらん部は有棘細胞癌(squamous cell carcinoma,以下SCC)と確認され,その境界部では,表皮内角化細胞に異型性がありロイコプラキアの状態であった.LSAの部分を含めたSCCの拡大切除術および化学療法を施行5か月後にリンパ節に転移し,両鼠径リンパ節郭清術を施行した.LSAとびらん部との境界部の組織像から,SCCはLSAからロイコプラキアの状態を経て生じたものと考えられ,文献的に考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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