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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻4号

2000年04月発行

症例報告

Angiotensin-converting enzyme阻害剤内服で誘発された遺伝性血管浮腫

著者: 福永瑞穂1 芦田雅士1 田村真吾1 森秋彦1 中村敬1 玉置昭治1

所属機関: 1淀川キリスト教病院皮膚科

ページ範囲:P.309 - P.311

文献概要

 特発性血管浮腫の患者には,angiotensinconverting enzyme(ACE)阻害剤は禁忌であると報告されている.今回,ACE阻害剤の内服で血管浮腫が誘発され,検査の結果,遺伝性血管浮腫(hereditary angioedema:HAE)と診断した症例をここに報告する.63歳,女性.妊娠中から血管浮腫を繰り返していた.狭心症,高脂血症の既往があり,加療中であった.夜間胸痛を自覚し,近医にてニトログリセリンを舌下した.帰宅後および翌朝にアラセプリル(セタプリル®)を内服したところ,その夕方に左頬部の腫脹を自覚した.顔面の腫脹が増強し,呼吸困難も生じたため当科に入院した.血液検査にて,C1エステラーゼインヒビターが5.0mg/dl以下,活性は25%以下であった.患者の長女にも,生後より顔面の血管浮腫の既往があり,家族歴を考慮して本症例をHAEと診断した.血管浮腫とACE阻害剤との関係について若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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