icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻4号

2000年04月発行

文献概要

症例報告

糖尿病患者に発症したacquired reactive perforating collagenosisの1例

著者: 太田智秋1 石井崇子1

所属機関: 1りんくう総合医療センター市立泉佐野病院皮膚科

ページ範囲:P.330 - P.332

文献購入ページに移動
要約 コントロール不良の糖尿病を有する36歳の女性の背部に発生したacquired reactive perforating collagenosisの症例を報告した.皮疹は小豆大の紅色丘疹で中心に角化性痂皮を伴い,上背部中央には乏しい.瘙痒があり,掻破痕が著しい.組織学的に,表皮は肥厚し錯角化を伴う厚い角層が固着し,表皮を貫くように数条の膠原線維と弾力線維が若干の細胞成分を伴って変性しつつ真皮乳頭から角層へと突き抜けるような像を認めた.皮疹がほぼ背部に限られていること,短期間に突然出現し掻破痕があることから,長期糖尿病による微小循環障害で発症準備状態であったところに発汗などが端緒となり,掻破により皮膚が損傷を受け,変性した膠原線維を生体内でうまく処理できずに経表皮的に排除しようとして皮疹が形成されるに至ったと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?