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症例報告
Steatocystoma simplexの3例
著者: 木村俊次1
所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
ページ範囲:P.338 - P.340
文献購入ページに移動 症例1:52歳,男性.3年来右大腿伸側に単発.症例2:45歳,女性.10年来項部に単発.症例3:61歳,男性.10年来右腹部に単発.いずれも示指頭大,常色で可動性あり.自覚症状なし.いずれも表面に小陥凹を有する.組織所見:3例とも重層扁平上皮から成る角質性嚢腫で,顆粒層を形成せずに波状ないし鋸歯状の角質層に移行する.症例1は壁と近接して,症例2は壁内に,成熟脂腺がみられ,症例3は内腔に脂腺細胞と思われる細胞塊を認めた.本嚢腫は当科16年間に3例で,同期間中のsteatocystoma multi—plex(SM)の26例,表皮様嚢腫の約1,600例に比べて,稀なものといえる.本嚢腫とSMとの異同についても論じた.
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