文献詳細
症例報告
文献概要
症例:10歳,女児.右母指爪に特別な誘因なく黒色色素線条が出現してきた.4歳時,某病院を受診し,切除したほうがよいと言われ不安になり,徐々に拡大したため,同年当科を受診した.受診時,右母指爪の尺側3mm程度を残し,中央部1/3が黒褐色,橈側1/3は黒色で,爪甲の凹凸,爪甲層状剥離を認めた.また,後爪郭では青色が透見された.家族の強い希望と,小児の爪甲色素線条が自然消失した報告例を踏まえ外来で慎重に経過観察することとした.7年7か月後,橈側2mmを残し,色素線条はほぼ消失し,また爪の変形も消失した.過去の報告には生後まもなく出現した爪甲色素線条に爪変形を伴っていたものを経過観察した報告は見あたらず,貴重な症例と考え報告した.
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