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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻5号

2000年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000

1 最近話題の皮膚疾患

心臓カテーテルおよび肝動脈塞栓術の施行後に生じた放射線皮膚炎

著者: 宋寅傑1 石川牧子1 飯島正文1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.7 - P.10

文献概要

 症例1:60歳,女性.3回の心臓カテーテル(以下心カテ)施行後,右胸背部に紅斑びらんが出現.さらに1回の心カテ施行後,右胸部に硬結,潰瘍が出現.症例2:68歳,女性.3回の心カテ施行後,右胸部に紅斑が出現.さらに2回の心カテ施行後,同部に硬結,潰瘍が出現.症例3:61歳,男性.4回の肝動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization,以下TAE)施行後,右背部に鱗屑痂皮を伴う紅斑が出現.X線合計被曝線量は,症例1が58.5Gy,症例2が45.5Gy症例3が495.4mGy.心カテの手技には大別して冠動脈造影(coronary angiography;CAG)と経皮的冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty;PTCA)がある.心カテ施行時には大量のX線が照射され,そのために放射線皮膚炎を起こす症例が1990年代後半より報告され始めた.一方,肝細胞癌に対して肝動脈造影下に行うTAEではX線照射量が少なく,放射線皮膚炎の発症はきわめて稀である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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