文献詳細
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000
1 最近話題の皮膚疾患
文献概要
症例:59歳,男性.1995年4月頃より,舌痛と口腔内びらんが出現.ステロイドの全身投与に反応せず,結膜炎,陰部のびらん,上肢に水疱も出現した.組織像,蛍光抗体法所見よりparaneoplastic pemphigusと診断した.縦隔腫瘍摘出後,粘膜,皮膚病変とも軽快傾向を示した.現在はプレドニゾロン,シクロスポリン内服中である.Para—neoplastic pemphigusは,1990年Anhaltらによって提唱された疾患概念である.主として血液系の悪性腫瘍を伴い,臨床的に口腔粘膜が強く侵されることが特徴的であり,組織学的所見,蛍光抗体法所見などにより診断可能である.この患者血清はdesmopla—kin 1, BPAG 1, envoplakin, periplakinなど多彩な抗原と反応する.今回,我々は患者血清がplakoglobinにも反応することを見いだした.
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