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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000 1 最近話題の皮膚疾患

種痘様水疱症とEpstein-Barrウイルス感染

著者: 峰咲幸哲1 本田まりこ1 新村眞人1 横井清2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2さくら皮フ科

ページ範囲:P.15 - P.20

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 種痘様水疱症様皮疹を繰り返し,発熱や肝機能障害などの全身症状を伴った慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症(chronic active Epstein-Barr virus infection:CAEBV)の14歳,男児例を報告した.顔面の丘疹の病理組織所見は,表皮から真皮中層にかけての壊死巣とそれを取り囲むように稠密な細胞浸潤がみられ,浸潤細胞の一部は大型で核異型を伴っていた.In situ hybridization法で浸潤細胞の30〜40%はEB virus—encoded small RNAs(EBER)が陽性であり,これらの陽性細胞は免疫組織化学的にCD2が陽性,CD3,CD20は陰性であったことからnatural killer細胞への感染と考えられた.なお,T細胞レセプターβ鎖Cβ1の遺伝子再構成は認めなかった.CAEBVに対する確立した治療法はなく,自験例ではこれまでプレドニゾロンや抗ウイルス剤の投与により軽快,増悪を繰り返しており,現在はプレドニゾロンおよびVP−16の併用投与により経過観察中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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