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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻5号

2000年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000

1 最近話題の皮膚疾患

全身性形質細胞増多症とHHV−8

著者: 岡田裕之1 加納塁1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.21 - P.24

文献概要

 ヒトヘルペスウイルス8型(human herpesvirus 8,以下HHV−8)はIL−6をはじめIL−8レセプターなど各種サイトカインやケモカインの遺伝子ホモログをコードしていることから,Kaposi肉腫をはじめprimary effusion lymphoma(PEL)やCastleman病の発生に深く関与していると考えられている.われわれはCastleman病の類縁疾患とされる全身性形質細胞増多症(systemic plasmacytosis,以下SP)においてもHHV−8がその発生に関与しているかを明らかにする目的で,当科で経験したSPの4症例について組織内のHHV−8遺伝子の有無をPCR法を用いて検索した.結果は全例でHHV−8遺伝子は検出されなかった.AIDS患者にSPの報告例がないことや日本人以外での報告がきわめて少ないことなども合わせるとSPの発症にHHV−8が関与している可能性は低いと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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