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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000 1 最近話題の皮膚疾患

Pasteurella皮膚感染症—コンパニオンアニマルとのzoonosis

著者: 原弘之1 森嶋隆文1 荒島康友2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2日本大学医学部臨床病理

ページ範囲:P.25 - P.29

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 日本大学板橋病院において過去15年間に分離されたペットのイヌ,ネコから感染したと思われるPasteurella局所化膿症12例について,臨床的,疫学的検討を行った.その結果,中高年,ことに60〜70歳代の高齢者に好発し,受傷部位は手・指が多く,次いで顔面であった.臨床像は,化膿性骨髄炎を併発した1例を除く,全例が膿瘍や蜂窩織炎を呈した.感染源としてイヌとネコからがそれぞれ6例と同数であった.分離されたPasteurella属菌は4種であり,検査技術の向上や関心が高まったためか,菌種の多様化が近年みられた.高齢化が急速に進むわが国では,ペットは家族の一員として扱う人たちが増えている.Pasteurella菌は多くの抗生物質に高い感受性を有するが,まれに死亡例も報告されており,さらに,本感染症の報告は年に25〜35%近い急激な増加を示しており,今後重要なZoonosisとして認識する必要があるものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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