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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000 2 皮膚疾患の病態
経皮ペプチド免疫によるメラノーマの治療
著者: 瀬尾尚宏1
所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.37 - P.41
文献購入ページに移動 樹状細胞がナイーブ細胞障害性T細胞(CTL)をプライミングできる強力な抗原提示細胞であることが判明し,腫瘍関連抗原ペプチドでパルスした培養樹状細胞の担癌生体内移入による癌免疫治療法が大きく期待されている.一方皮膚にはLangerhans細胞などの樹状細胞が休止状態で多数常在しているので,これを効率的に活性化し,有効に活用できれば皮膚を介した癌免疫治療が可能となるに違いない.特にメラノーマの場合,他の腫瘍と比較して腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の中にCD8陽性のCTLが多数存在すること,TILからin vitroで抗メラノーマCTLを容易に誘導できること,さらに多数のメラノーマ関連抗原ペプチドが既に同定されていることから,免疫治療の実現可能な腫瘍であると考えられている.本稿では我々のマウス皮膚を用いたメラノーマ特異的CTLの誘導法の他,ヒトへの応用の可能性や問題点について概説する.
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