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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000 2 皮膚疾患の病態
抗フォドリン抗体と膠原病
著者: 尹浩信1
所属機関: 1東京大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.43 - P.45
文献購入ページに移動 膠原病患者血清中には,自己細胞成分と反応する様々な自己抗体が検出され,疾患や病態と密接に関連することが知られている.近年,Sjögren症候群の疾患特異的な自己抗体として抗フォドリン抗体(抗α-fodrin抗体)が見いだされた.α-fodrinは生体内では脳神経細胞や心筋細胞の細胞骨格を構成する蛋白質で240kDテトラマーとして豊富に存在し,同抗体の存在はアポトーシスの同症への関与を示唆するものと考えられている.本稿では抗フォドリン抗体の膠原病における臨床的意義について最近の知見をまとめた.抗フォドリン抗体はSjögren症候群患者血清において高頻度に検出され,特異度も高いと考えられ,同症の血清学的指標になり得るものと考えられた.また新生児エリテマトーデスおよび先天性房室ブロックの血清学的指標になるものと考えられた.
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