icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000 3 新しい検査法と診断法

尿中単純ヘルペスウイルス抗体検査の有用性

著者: 本田まりこ1 小松崎眞1 峰咲幸哲1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.71 - P.75

文献購入ページに移動
 尿中の単純ヘルペスウイルス(herpes simplex viruses,以下HSV)抗体価をHSVの型別,免疫グロブリン別に測定した.対象は感染HSVの型が明らかな患者57例(HSV−1 12例,HSV−2 41例,HSV−1+HSV−2 4例)とHSV感染症の既往がない血清抗体価陰性の者12例で,enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)にて尿中の抗体価を測定した.57例中HSV−1初感染者は2例,HSV−2初感染者は1例である.結果は,HSV感染症の既往がなく,しかもHSVの血清抗体価が陰性であるコントロール群では,全例尿中からHSV抗体が検出されなかったが,HSV型特異的抗原に関係なくHSV−1およびHSV−2感染者の全例に尿中の抗HSV-IgG抗体は陽性を示した.抗HSV-IgA抗体は,感染HSV型の抗原を使用した場合,HSV−1感染患者では,全例に,再発型のHSV−2感染患者では40例中35例(87.5%)に陽性を示し,型の異なる抗原ではその陽性率は低下した.HSV−1およびHSV−2の初感染患者では早期に著しい抗HSV-IgA抗体の上昇がみられた.尿中の型特異的IgA抗体が1.000以上で,IgA/IgG比が1.0以上のものは,初感染であると考えてよい.また,検出された尿中の抗HSV-IgA抗体は二量体であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら