icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻5号

2000年04月発行

Derm.2000

樹状細胞療法/臨床研究をしていて思うこと

著者: 北嶋敏之1 秋元幸子2

所属機関: 1山梨医科大学皮膚科 2群馬大学皮膚科

ページ範囲:P.76 - P.76

文献概要

 当科では東京大学医科学研究所を中心として発足したメラノーマに対する樹状細胞療法の臨床研究プロジェクトに参加している.原理を簡単に述べると,患者さんの樹状細胞にメラノーマの腫瘍抗原をパルスしたものを投与して抗腫瘍免疫を高めようとするものである.このプロジェクトはステージIVの患者さんが対象であるが,もちろんわが国でははじめての試みである.欧米では主としてペプチドを腫瘍抗原として使用しある程度の効果をあげているが,わが国ではHLAの関係上,腫瘍細胞溶解液を抗原として用いるのが特徴である.
 先日,医科研での治療の合間にこちらでIL 2を注射しに来られた患者さんを診させていただく機会があった.調子はどうかと尋ねると案外良いとのことであった.「むこうで血をとって何回か注射してもらっている」と治療の様子を話してくれた.この患者さんの腕にIL−2を注射するたびに,まだ始まったばかりでおそらく前途は長いであろうこの治療に同意していただいたことに対する感謝の念とともに,このような患者さんのためにも,幾多の困難を乗り越え,このプロジェクトを前進させていかなければならないと思った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら