文献詳細
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000
3 新しい検査法と診断法
文献概要
皮膚腫瘍の良性・悪性の鑑別,とくにメラノーマの診断におけるパワードプラ法の有用性について検討した.最近,我々が種々の皮膚良性および悪性腫瘍の原発,巣,転移巣においてその病巣内の血流信号について超音波診断のパワードプラ法(あるいはカラードプラ法)を用いて観察したところ,良性腫瘍と悪性腫瘍の問にその流速と分布状況に違いが認められた.すなわち血流信号が悪性腫瘍の約90%に検出され,一方,良性腫瘍や表皮内癌では95%以上で検出されなかった.さらにメラノーマの原発巣および転移巣ではより高率にかつ豊富に血流信号が検出され,特徴的な分布パターンが認められた.以上から本法はその診断精度が高いだけでなく,非侵襲的で簡便なことや米粒大のin-transit転移巣のような小さな病巣の診断にも有用であることなど,メラノーマの画像診断法として優れた点が多いと思われる.
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