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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻5号

2000年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000

4 皮膚疾患治療のポイント

嗜癖的掻破行動によるアトピー性皮膚炎の臨床像

著者: 川島眞1 檜垣祐子1 細谷律子2 小林美咲3

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2細谷皮フ科 3小林皮膚科医院

ページ範囲:P.103 - P.107

文献概要

 アトピー性皮膚炎において,掻破がその悪化要因となっていることは,いわゆるitch-scratch cycleとしてよく知られている.しかし最近,小林により痒み刺激によらない掻破行動の存在が明らかにされ,その行動は単なる習慣を越えて嗜癖とも言うべきものであり,嗜癖的掻破行動と命名された.その行動により誘発される皮疹は,特異な掻破行動(掻く,擦る,叩く,剥くなど)に基づくために,左右対称性,手の届く範囲に限局,境界が鮮明などの特徴がみられ,掻破の道具としての手指にも独特の症状を形成する.アトピー性皮膚炎の診療においては,掻破行動の異常による皮疹の存在に着目し,その行動異常に至る心理的要因にも踏み込んだ治療を行う必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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