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Derm.2000
HIV感染症と皮膚症状
著者: 中村晃一郎1
所属機関: 1東京大学皮膚科
ページ範囲:P.164 - P.164
文献購入ページに移動 現在,東京大学医科学研究所附属病院感染症内科(教授岩本愛吉博士)ではHIV感染症患者を専門に診察しており,とくに皮膚疾患について診療に参加する機会をいただいた.AIDSについて,最近ではややマスコミなどの報道もおさまった感があるが,依然としてHIV患者数は増加を続けている.HIVに伴う皮膚疾患としては,爪,足白癬や驚口瘡が顕著であり,また非定型抗酸菌剤に対する薬疹,脂漏性皮膚炎,好酸球性膿疱性毛嚢炎などの症状をみることが多い.これらの皮膚症状は初発症状としてみられることもあれば,経過中に出現する場合もある.Kaposi肉腫も四肢,足などにしばしば生じる皮膚症状であり,治療として液体窒素療法,ビンブラスチンの局注,手術などを行い,比較的よい経過をみている.また,皮膚にHHV 8とEBVの関連したリンパ腫を生じた症例を経験した1).
外国人移住者等も増加している昨今,患者が自身の認識なく,一般皮膚科外来を受診するケースも想定される.HIV患者への対応や皮膚症状についての認識を新たにしておく必要が感じられる.
外国人移住者等も増加している昨今,患者が自身の認識なく,一般皮膚科外来を受診するケースも想定される.HIV患者への対応や皮膚症状についての認識を新たにしておく必要が感じられる.
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