臨床皮膚科54巻6号

2000年05月発行

症例報告

母と息子に発症した全身性エリテマトーデス

著者： 細川倫子¹² 宮澤偵二² 関口幸雄³

所属機関： ¹細川皮膚科 ²仙台逓信病院皮膚科 ³NTT東北病院内科

ページ範囲：P.422 - P.424

　48歳の母親と25歳の息子に発症した全身性エリテマトーデス（SLE）の症例を報告した．息子は初診の8か月前より顔面の紅斑があり，戸外労働の後から発熱などの全身症状を伴った．抗核抗体，抗DNA抗体，抗Sm抗体高値．母親は38歳時より，発熱，関節痛，腎障害などによりSLEと診断され治療を受けていた．本邦におけるSLEの母-息子発症例は自験例を含め10組報告されているが，息子に比較的若年発症例が多いことや，家系内に男性の近親者を含めSLEや自己抗体異常を伴う例が多いなどの特徴がみられた．