臨床皮膚科54巻6号

2000年05月発行

症例報告

発症部位および発症年齢がまれなグロムス腫瘍の3例

著者： 財満浩之¹ 松下博明² 加藤武男² 神保好夫²

所属機関： ¹東京医科大学皮膚科学教室 ²佼成病院形成外科

ページ範囲：P.439 - P.442

　46歳女性の左手環指指腹部，57歳男性の右前腕伸側，6歳男児の左第1足趾爪下に生じた単発型グロムス腫瘍を報告した．いずれも疼痛を伴い，組織所見は典型的であった．本症は手指の爪下に好発し，自験例は比較的まれな発症部位と考えた．また，発症年齢は思春期以降の若い成人に多いが，われわれは6歳というまれな症例を経験した．この症例は外傷の既往があり，過去にも外傷の既往がある報告があることより，本疾患の発生が何らかの刺激と関連する可能性があると考えた．