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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻6号

2000年05月発行

文献概要

症例報告

皮膚症状より診断された運動発達遅滞を伴ったNoonan症候群の1例

著者: 竹中基1 片山一朗1 計盛幸子2

所属機関: 1長崎大学医学部皮膚科学教室 2健康保険諌早総合病院皮膚科

ページ範囲:P.461 - P.464

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 1歳,男児.顔面や四肢の粟粒大の強い瘙痒を伴う常色丘疹の多発を主訴に受診した.両親,同胞に類症はない.妊娠中毒症のため,帝王切開で出生するも出生時は皮膚症状以外異常を認めなかった.生後3日目に心雑音を指摘され,心室中隔欠損と肺動脈狭窄が確認された.1997年7月からは肥大型心筋症(閉塞型)も確認され,いずれも経過観察中である.また,生後10か月からは運動発達遅滞を認めている.常色丘疹は生直後より認めた.初診時,上背部,両上肢外側,両耳介,両頬部に瘙痒を伴う粟粒大までの常色の毛孔性苔癬様の角化性丘疹の多発を認めた.また低身長(−1.7SD),両眉毛の消失,両眼隔離,両眼瞼下垂,左内斜視,耳介低位,耳介変形,翼状頸,外反肘,停留睾丸を認めた.染色体は正常核型を示したため,皮膚症状やその他身体的特徴よりNoonan症候群と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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