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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻7号

2000年06月発行

症例報告

高齢者に発症した疱疹状皮膚炎の1例—線状IgA皮膚症との関連性について

著者: 榊原章浩1 細川倫子2 田上八朗1

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室 2仙台逓信病院皮膚科

ページ範囲:P.489 - P.491

文献概要

 86歳,男性の疱疹状皮膚炎を報告した.背部に丘疹,小水疱のみられる紅斑,色素沈着が混在し,次第に体幹,四肢に緊満性水疱が増えてきた.病理組織像は,主に好中球の浸潤する表皮下水疱であり,真皮乳頭には好中球微細膿瘍はない.蛍光抗体直接法にて表皮真皮境界部にIgAの細線維状,一部顆粒状の沈着を認めた.老衰により死亡するまでの4年半の間,DDS 50mgの内服により良好にコントロールされた.従来の本邦報告例にならえば疱疹状皮膚炎(DH)と診断されるが,自験例のように大型の水疱がみられ,HLA-B8がみられず,グルテン不耐性腸症を伴わないような多くの本邦例は,欧米のDHとは異なるものであり,むしろ線状IgA皮膚症に含めたほうが無理がないように思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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