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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻7号

2000年06月発行

文献概要

症例報告

高齢者の顔面に生じた巨大皮角の1例

著者: 濱英俊1 市川健1 久保仁美1 徳田安孝1 宇原久1 斎田俊明1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.552 - P.554

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 88歳,女性.数年前より前額部や頬部に落屑性の紅斑や褐色斑が多発し,一部が隆起,増大してきた.前額正中部に基部最大径3.5cmで,高さ7cmの巨大な皮角が存在し,右頬部には9×8×10mmと5×5×5mmの皮角が認められた.いずれも皮角辺縁より5mm離し,外科的に切除した.病理組織学的には,前額正中部の皮角は高分化型の有棘細胞癌の像を呈し,一部真皮内への浸入像も認められた.また皮角辺縁部の表皮基底層にも異型細胞の増殖を認めた.右頬部の2つの皮角は日光角化症の組織所見を呈していた.さらに約4年後,右頬部の別の部位と右額部に皮角(日光角化症と有棘細胞癌)が続発してきた.いずれも外科的に切除した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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