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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻8号

2000年07月発行

文献概要

原著

PTEN遺伝子の変異を認めたCowden病

著者: 木村久美子1 加藤直子1 青柳哲1 菅原弘士1 斉藤忠範2 内藤春彦3 池田崇之4 堀井明4

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科 2国立札幌病院消化器科 3国立札幌病院外科 4東北大学医学部分子病理学教室

ページ範囲:P.585 - P.589

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 56歳,女性.息子2人に消化管ポリポージスがあり,20代から歯肉に丘疹,40代から躯幹に多発性紅色丘疹が生じ,1年前から顔面および頸部から肩部にわたる多発性小丘疹と右前腕の丘疹に気づいた.組織像では,顔面の丘疹はangiofibroma,躯幹の紅色丘疹は血管腫,前腕の丘疹はsclerotic fibroma,頸部の小丘疹は軽度の角質増生と表皮の盆状陥凹を示した.また消化管のポリポージス(食道から直腸)と直腸の粘膜下脂肪腫を有し,ポリープの一部には,腺癌を合併していた.他に両側乳癌,両側甲状腺腫,多発性肝血管腫,卵巣嚢腫も認められた.PTEN遺伝子の変異を認め,exon 5のcodon 130にてArg(アルギニン)からstop codonとなる,nonsense mutationが確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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