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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻8号

2000年07月発行

症例報告

横紋筋融解症を合併したcoma blisterの1例

著者: 谷戸克己1 石地尚興1 荻野聡子1 井上奈津彦1 本田まりこ1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.602 - P.604

文献概要

 32歳,女性.初診の約5年前よりうつ状態のため近医に通院中であった.体調の不良,不穏状態に対して多量の抗精神病薬を服用後に昏睡状態となり,右前額部,右肩,右腰部に浮腫性紅斑,水疱を,両下肢内側に皮膚潰瘍を生じた.皮疹の発生部位は昏睡時に圧迫された部位に一致し,患者は右半身のしびれと疼痛を訴え,発熱を伴っていた.臨床検査成績はGOT 224IU/l,GPT 141IU/l,LDH 769IU/l,CRP 4.3mg/dlと上昇,特にCPKは7985IU/l,アルドラーゼは21.8IU/lと異常高値を示した.水疱部の組織学的検査では真皮の浮腫と真皮浅層の血管周囲にリンパ球を主体とした炎症性細胞浸潤を認めた.血清学的異常値は5日後には正常化した.以上より本症を横紋筋融解症を合併したcoma blisterと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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