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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻8号

2000年07月発行

症例報告

巨大嚢腫を形成した皮膚結核の1例

著者: 柴山久代1 加藤文美香1 近藤隆男1 満間照之2 原一夫3

所属機関: 1名古屋掖済会病院皮膚科 2名古屋大学医学部皮膚科学教室 3愛知医科大学病院病理部

ページ範囲:P.639 - P.641

文献概要

 82歳,女性.5年前から肺に異常陰影を認める.初診の2日前から,右腋窩が腫脹し,手拳大の無痛性の嚢腫を形成した.穿刺にて100mlの黄色漿液性の排液を得た.嚢腫下に索状物を認めたので生検したところ,病理組織学的にLanghans型巨細胞を含む類上皮細胞性肉芽腫の像を呈していた.Ziehl-Neelsen染色は陰性であった.ツベルクリン反応は強陽性で,右腋窩MRIで右上腕骨前面に膿瘍を示唆する所見を得た.生検部の結核菌培養は陽性であった.イソニアジド,リファンピシンの2剤併用療法で6か月後嚢腫は消失したが,創部は閉鎖していない.以上より,陳旧性肺結核から血行性に右上腕骨前面に膿瘍を形成し,皮膚の方へ痩孔をつくり嚢腫を形成したものと推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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