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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻9号

2000年08月発行

文献概要

今月の症例

肺癌を合併した瘢痕性類天疱瘡の1例

著者: 安倍将隆1 小泉洋子1 松村和子1 小玉和郎1 南場裕美1 横田浩一1 松村哲理1 川嶋利瑞1 大河原章1 松井千尋2 村松勉3

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科学教室 2富山医科薬科大学皮膚科学教室 3奈良県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.685 - P.688

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 58歳,男性.初診の4か月前から胸部に水疱が出現し,口腔内,側腹部にも水疱,びらんが出現した.喉の違和感と眼球結膜の充血・瘢痕を伴う.組織学的に表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法で基底膜部にIgGとC3の線状沈着を認めた.間接法は10倍で陽性,1モル食塩水処理正常ヒト皮膚(スプリットスキン)を用いた間接法で抗体は表皮側に反応した.免疫プロットでは230kD表皮蛋白,180 kDのNC 16 A domainが陽性であった.シクロホスファミド,プレドニゾロン内服で症状は改善したが転移性肺腫瘍が見つかり,その後胸部に水疱が再発した.その時の血清でスプリットスキンを用いた蛍光抗体間接法では真皮側に抗体の反応を認め,免疫沈降法では180kD表皮蛋白とラミニン5に対する抗体を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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