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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻9号

2000年08月発行

症例報告

ハンセン病(LL型)の再発例

著者: 寺井典子1 並里まさ子1 小川秀興2

所属機関: 1国立療養所多磨全生園皮膚科 2順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.743 - P.745

文献概要

 79歳,男性.1953年(35歳時)にLL型ハンセン病と診断された.主としてsulfone剤による治療を受け,約30年後に菌は陰性化し病状も安定した.その後ジアフェニルスルホン(DDS)25mg/日が継続されたが,約20年後,左3,4指のしびれ感と同指の著明な皮膚温低下に気づき,さらに体幹,臀部,四肢に炎症所見の乏しい指頭大の淡い紅斑が多数,散在性に出現した.当該部の生検にて,らい菌を食するマクロファージの旺盛な組織浸潤傾向を認め,臨床所見とあわせて再発性のLL型ハンセン病と考えた.軽度の初期病変に対する注意深い観察が,早期発見を可能にしたと考えられる.リファンピシン,クロファジミン,DDS,ミノサイクリンの併用療法にて,半年後には皮疹はほぼ消失し,菌検査も陰性化した.その後も良好な経過が得られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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