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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻9号

2000年08月発行

治療

超音波メスを用いた腋臭症の治療

著者: 新山史朗1 饗場伸作1 勝岡憲生1 大谷謙太2 伊藤芳憲2 角谷徳芳2

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室 2昭和大学医学部藤が丘病院形成外科

ページ範囲:P.759 - P.761

文献概要

 超音波メスをを用いた腋臭症の治療には,次のような利点がある.1)手技が簡便であり,短時間の手術が可能である.2)脈管系が温存されるため皮弁の血行が保障され,皮膚壊死が避けられる,と同時に知覚障害が起こりにくい.3)出血がほとんどないため術後の血腫形成がなく,厳重な圧迫固定,安静を必要としない.4)術後瘢痕が目立たない.5)確実に汗腺組織が破壊される.しかし合併症として最も問題となるのが,チップの発熱による熱傷であり,それに対し当科では以下のことなどを行い,その予防に努めている.1)チップ先端が細かく平行運動するように作動させ,絶対に止めない.2)超音波メスの還流水を予め4℃に冷却し,術中も氷嚢を使用するなど冷却に努める.3)切開線周囲の皮下組織には超音波メスを接着させづらいが,無理に当てることなく剪除を併用する.4)術後数日はステロイド軟膏を外用する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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