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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻1号

2001年01月発行

原著

連日の温浴により軽快したコリン性蕁麻疹—本症の発症機序ならびに治療効果発現機序の考察

著者: 山岸知生1 相場節也2 田上八朗2

所属機関: 1東北大学医学部 2東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野

ページ範囲:P.9 - P.12

文献概要

 症例は21歳,男性.1997年2月から発汗時の疼痛と,蕁麻疹出現を訴えて受診した.薬剤は無効で,夏季や激しい症状出現後に一時的に軽快した.最終的にコリン性蕁麻疹と診断した.1998年2月,発汗するまで連日温浴したところ日毎に症状が軽減し,以後1年間寛解状態であった.1999年4月,入浴習慣中止の上で運動誘発試験を施行し,軽度ながら蕁麻疹が出現した.病理組織像で血管内の好中球の集簇,表皮部汗管の拡張が認められた。本疾患と不応期,寛解の関係を論じ,温浴により角層内における汗管閉塞を除去したことが寛解導入に至らしめたと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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