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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻1号

2001年01月発行

文献概要

症例報告

プロスタグランジンE1製剤により保存的に治療しえた閉塞性血栓血管炎に伴う皮膚潰瘍

著者: 安西三郎1 藤原作平1 高安進1 野口仁志2 深川光司2

所属機関: 1大分医科大学皮膚科学講座 2大分医科大学第一内科

ページ範囲:P.40 - P.42

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 83歳,男性.最近30年間喫煙歴なし.1994年両手指にチアノーゼ,1996年秋右第3趾に潰瘍出現.1997年6月入院.右第3趾に骨,関節腔が露出した径20mmの潰瘍を認めた.右下腿の3枝主動脈は完全閉塞し,corkscrew状の形態を呈する側副血行路にてかろうじて血流が保たれていた.閉塞性動脈硬化症,糖尿病,その他凝固異常を示唆する所見はなく閉塞性血栓血管炎と診断した.プロスタグランジンE1の全身投与を開始し潰瘍は急速に縮小したが,減量とMRSA感染に伴い再び増大傾向を示した.局所酸素療法,プロスタグランジンE1軟膏を併用し1998年2月潰瘍は完全に閉鎖した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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