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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻1号

2001年01月発行

症例報告

Mycobacterium abscessusによる非定型抗酸菌症の1例

著者: 小笠伸二1 佐藤良博1 伊崎誠一1 北村啓次郎1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科

ページ範囲:P.43 - P.45

文献概要

 56歳,女性.1997年8月,右臀部に特に誘因なく小紅斑が出現し,その後増大してきたため,同年10月17日当科を受診した.初診時,右臀部に7.5×4.5cmの浸潤を触れる暗紫紅色斑を認めた.感染性粉瘤などを疑い切除術を施行した.病理所見で真皮内に異物型巨細胞を含む著明な炎症性細胞浸潤を認めた.その後1998年1月より,手術瘢痕に一致して膿瘍,皮下膿瘍が出現するようになったため,精査・治療目的にて入院した.膿汁の抗酸菌培養で黄白色のコロニーが形成され,DNA-DNA hybriclization法によりMycobacterium abscessusと同定された.以上より同菌による非定型抗酸菌症と診断した.切開,排膿およびクラリスロマイシンの投与を行い,残存した病変を全摘し軽快した.M.abscessusによる非定型抗酸菌症の報告は本邦では稀であり報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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