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症例報告
日光照射およびテトラサイクリン塩酸塩により軽快した色素性痒疹の1例
著者: 勝野正子1 山川有子1
所属機関: 1平塚共済病院皮膚科
ページ範囲:P.54 - P.56
文献購入ページに移動 25歳,女性.1994年頃(20歳頃)より,両側鎖骨部および乳房に瘙痒を伴う皮疹が出現した.初診時,両側鎖骨上窩,鎖骨窩,乳房周囲から腋窩にかけて軽度隆起した網目状の茶褐色斑を認め,その辺縁には浸潤を伴う紅斑を認めた.病理組織学的所見では表皮突起の不規則な延長,軽度の肥厚があり,表皮間浮腫,リンパ球の軽度の表皮内浸潤および真皮上層の血管周囲にリンパ球浸潤がある.以上より色素性痒疹と診断した.経過中日光曝露部の皮疹の軽快があった.テトラサイクリン塩酸塩(アクロマイシン®)4週間の投与にてすべての皮疹は浸潤を伴わない色素沈着となり,瘙痒も消失した.色素性痒疹にはテトラサイクリン塩酸塩,紫外線療法も有効である可能性が示唆された.
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