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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻1号

2001年01月発行

症例報告

爪甲下扁平上皮癌の2例

著者: 杉浦啓二1 社本幹博1 秋田浩孝2 清水善徳2 上田宏2 梅村芳樹3

所属機関: 1藤田保健衛生大学総合医科学研究所病態細胞学研究部門 2藤田保健衛生大学皮膚科学教室 3新城市民病院皮膚科

ページ範囲:P.73 - P.75

文献概要

 手指の爪甲下に発生した扁平上皮癌を2例経験した.いずれも60歳以上の高齢者の男性で,爪の変化に気づいてから診断するまで1年以上要した.1例は接触皮膚炎を疑う初診時臨床像で,リバノールのパッチテストを施行したが陰性であった.2例ともにPIP関節より関節離断術を行い,現在術後約2年経過し外来において経過観察中である.爪甲下に発生した扁平上皮癌の報告は少なく,また臨床像が接触皮膚炎,真菌症などに類似していることより,確定診断までに時間がかかる症例がほとんどである.頻度の多い疾患より疑うのが常であるが,難治性のものに対し皮膚生検を行う必要性を改めて認識した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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