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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻1号

2001年01月発行

症例報告

黒色調を呈した乳房Paget病の1例

著者: 木戸真紀子1 松村康洋1 尾崎元昭1 西川秀文2

所属機関: 1県立尼崎病院皮膚科 2県立尼崎病院外科

ページ範囲:P.77 - P.79

文献概要

 53歳,女性.約1年前より左乳頭部に黒色色素斑を認め,乳頭中央部はびらんを呈してきた.乳房Paget病と表在拡大型悪性黒色腫との鑑別が問題となった.病理組織所見では,胞体の明るい大型異型細胞が表皮内全層に認められ,胞体内にはメラニン顆粒を含んでいた.また,基底部には空胞変性が認められた.PAS陰性,S−100蛋白陰性,HMB−45陰性,サイトケラチン(35bH 11)陽性より,乳房Paget病と診断した.乳房切除後の病理組織所見では,乳管内癌を認めた.乳房Paget病,悪性黒色腫についてPAS,S−100蛋白,HMB−45,CEA,EMA,サイトケラチン各染色の有用性について検討したが,HMB−45とサイトケラチンの免疫染色が両者の鑑別に最も有用であると考えられた.また,色素沈着の機序についても考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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