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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻10号

2001年09月発行

文献概要

原著

亜急性間質性肺炎を伴った皮膚筋炎の2例—間質性肺炎を併発した当科経験例のまとめ

著者: 上田周1 石黒直子1 門野さつき1 川島眞1 石井彰子2 宇野博子2 永井厚志2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学呼吸器内科

ページ範囲:P.747 - P.751

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 症例1は56歳,女性.1997年8月に胸部CTにて異常陰影を指摘され,同年9月より耳介の紅斑と指関節背に丘疹が生じ,翌年5月に咳嗽と筋力低下が出現した.症例2は46歳,女性.1998年2月より指関節背に紅色丘疹が生じ,6月に発熱,関節痛と筋痛が出現した.2例とも間質性肺炎を認めたが,その経過は緩徐な増悪を示した.皮膚および筋症状,筋電図の結果から皮膚筋炎と診断し,症例1は0.6mg/kg/日,症例2は1.0mg/kg/日のプレドニゾロンの内服を開始後,皮疹と筋症状は急速に軽快し,間質性肺炎も軽快傾向を示した.当科の間質性肺炎を合併した皮膚筋炎の症例について検討したところ,急性型では動脈血酸素分圧が日〜週単位で急速に60Torr以下に低下するのに対して,亜急性型では経過中ほぼ70Torr以上に保たれ,治療選択のうえで重要な所見であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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