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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻10号

2001年09月発行

症例報告

イオメプロールによる遅延型アレルギー性薬疹の3例

著者: 高橋さなみ12 相原道子12 池澤善郎12

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属浦舟病院皮膚科 2現横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター皮膚科

ページ範囲:P.766 - P.769

文献概要

 本邦において1994年に承認,発売された非イオン性造影剤であるイオメプロール(イオメロン®)の遅延型アレルギー性薬疹の3例を経験した.3例とも播種性紅斑丘疹型であった.症例1,2では初回投与からそれぞれ11日,10日目に,また症例3は初回投与10日後に再度投与され,約10時間後に皮疹が出現した.ステロイド外用剤の塗布にて3例とも1週間以内に皮疹は消失した.上記3症例に各種非イオン性ヨード造影剤のパッチテストと皮内テストを施行し,造影剤アレルギーの交差の有無を検討した.イオメプロールの抗原決定基は症例により異なる可能性,また複数の構造が抗原決定に関与する可能性が示唆された.以上より,急性心筋梗塞のように何度も造影検査を必要とする疾患では,症例ごとに造影剤アレルギーの交差の有無を検討する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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