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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻11号

2001年10月発行

臨床統計

恙虫病15例の臨床的検討

著者: 永井弥生1 曽我部陽子1 田村政昭2 清水晶2 石川治2

所属機関: 1利根中央病院皮膚科 2群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.836 - P.839

文献概要

 当科で過去5年間に経験した恙虫病15例を臨床的に検討した.14例は10月,11月に発症しており,5月の発症が1例であった.初発症状より当科受診,診断に至るまでの期間は3〜11日であった.発熱などの初発症状より数日の経過で典型的な皮疹を生じ,全例で刺し口を確認した.肝機能障害は12例で,血小板減少を2例で認めたが,DIC,間質性肺炎などの重篤な合併症はみられず,塩酸ミノサイクリン投与により軽快した.ペア血清による抗体価の検索では,Karp,Kato,Gilliamの3株ともに上昇していたものが4例,Karp, Gilliamの2株が上昇していたものが8例であり,全例でGilliam株の抗体価が上昇していた.本症は診断の遅れにより,ときにDICなどの重篤な合併症をきたすため,発症早期の臨床診断と適切な治療が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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